故人の財産や負債は,遺言書によって遺贈を受けた場合を除き,死亡した時から相続財産となります。
相続財産は,遺産分割が成立するまで相続人全員の共有状態となります。
ほかの相続人の同意なく預貯金を勝手につかったり,不動産を処分することは控えましょう。預貯金については,引き出しを防止するために,金融機関に死亡の連絡をして口座などを凍結する方法もあります。
また,負債についても自分だけの判断で返済しないでください。相続財産を処分している場合,相続放棄ができないケースもあります。
故人の大切な財産を守り,相続手続を円滑にすすめるためにも,相続財産は保存してください。
「知らずに預貯金を使ってしまった」「故人の葬儀費用などを立て替えた」などの場合は,何に使ったのかわかるよう領収証を保管してください。
相続手続を進めるには,誰が相続人なのかを確認するため,①故人の出生から死亡までの戸籍謄本,②相続人全員の戸籍謄本,が必要になります。
これは本籍地のある市区町村で取得することができ,遠方の場合には郵送による取得も可能です。途中で本籍地が変わっている場合には,そちらの本籍地で作成された戸籍謄本も必要になります。
弁護士に相続手続をご依頼いただいた場合は,代理人として,故人の戸籍謄本を取得することも可能です。
他の相続人と話し合いたいと思っても,言い争いになってしまい,相続手続が進まないことがあります。「年月を重ねるうちに,少しずつ溝が生まれてしまい,いざ相続問題に直面してみると,冷静な話し合いができない状態になっていた」ということはよくあることです。
相続の内容うんぬんというより,相続人同士が対立してしまうことが,相続の一番難しいところです。
もともとは家族だった身内と争うのは誰にとっても辛いものです。
相続人同士での話し合いが困難な場合は,まずは弁護士にご相談ください。あいだに弁護士が入ることによって,冷静な話し合いができるようになることはとても多いです。相続人全員にとって,納得のいく遺産分割になるようお手伝いさせていただきます。
相続するプラスの財産より,負債(借金)の方が多い場合,相続放棄を検討する必要があります。
民法では「相続放棄をしようとする者は,自己のために相続開始を知った時から3カ月以内に,その旨を家庭裁判所に申述しなければならない」と定めています(915条1項)。3カ月を経過すると,相続放棄はできなくなるので注意が必要です。(期間を伸ばすことはできますが,その場合も3カ月以内に家庭裁判所にその旨を申し出ることが必要です。)
また,相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合などに,相続放棄ができなくなることがあります。
相続放棄をお考えの方は,故人の財産や負債を整理する前に,お早めに弁護士にご相談ください。
ご依頼をいただいた場合,申立書の作成や添付資料の準備などは弁護士が代理人として行うことができます。
遺産分割とは,故人の個々の相続財産を,相続人の誰が取得するのかを決める手続です。
遺産分割をするにあたって,まずは「相続人が誰であるか」が重要ですので,故人の出生から死亡までの戸籍を集めて,相続人を確認します。
遺産分割は,遺言書に分割方法の指定があればそれに従います。遺言書に指定がない場合,相続人間の協議(話し合い)になります。
相続人のなかに反対の人がいたり,話し合いに応じない人がいれば,分割協議はまとまりません。その場合は,家庭裁判所に調停または審判を申し立てて分割をすることになります。
話し合いで遺産分割の内容がまとまったら「遺産分割協議書」を作成します。
そして,遺産分割協議書が完成したら,それに基づいて相続手続を進めます。例えば,銀行の預貯金を相続するのであれば,遺産分割協議書と戸籍謄本などを銀行に提出し,故人の口座からお金を受け取ります。
弁護士にご依頼をいただくと,このような実際の相続手続まで代理人として行うことができます。「どこまでやってもらえるのか」などの詳細については,ご相談の際にご説明させていただきますのでご安心ください。
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